ストックホルム症候群―――
犯罪被害者が犯人と一時的に時間や場所を共有する事によって、
過度の同情、さらに好意等の特別な依存感情を抱く事。(wikipedia一部抜粋)
諸君も一度は聞いた事があるだろう。
監禁されていた少女が犯人を庇う行動や言動をする。
人質が犯人と行動を共にし、捜査を妨害する。
何故その様な現象が起きるのか。
1973年8月にストックホルムで発生した銀行強盗人質立てこもり事件が名前の由来だ。
人質は犯人に協力し、警察の捜査を妨害、非協力的な証言、更には人質の女性の一人が犯人と結婚までしてしまった。
以上の事からこの名が付けられた。
第一に、何故犯人に協力的だったか?人質となった時、まず誰から殺される?反抗的な人間だ―――プライド
人質として扱いづらい人間は邪魔でしか無い。
では、身の安全を確保するには?犯人に従順である事―――生存本能と恐怖心
第二に、何故警察の非協力的な証言をしたか?
上記で述べた通り、人質と犯人はお互いに接し合う事で徐々に打ち解け合ってしまうのだ―――愚かさと脆さ
この延長線上に犯人への協力的な姿勢があると言えるだろう。
そして犯人が罪を犯した事を棚に上げ、悪いのは犯罪に走らせるこの世の中と政府だと叫ぶ―――身勝手さと理想構築
それ故、国家機関である警察に敵意を抱き、自分達を助けてくれる筈の存在に罵詈雑言を浴びせ、時に武器さえ向ける―――現実逃避
そう、それはただの責任転嫁だ―――醜さ
第三に、犯人と結婚までしてしまったのは何故だろう。
犯人に対する依存感情が限度を越えた結果だ。
しかし、このストックホルム症候群は解放無いし、一定期間経過すると犯人に対する憎悪へと変貌する。
この結婚してしまった人質は余程の依存症だったのか、それとも犯人が魅力的だったのか。もしくは両方か―――儚さ
残念だが自分に確かめる術は無いよ。

さぁ、諸君。ストックホルム症候群について分かって頂けたかな?それでは諸君をある物語の中に案内しよう。
人の生存本能、恐怖心、愚かさ、身勝手さ、儚さ、醜さ、脆さ、プライド、理想構築と現実逃避が一遍に感じられる世界へ招こう。


・・・ようこそ、「雪原に咲く薔薇」の世界へ


 

=第一話=

=第二話=

=第三話=

=第四話=

=エピローグ=

 

 

=あとがき=

 

 

 

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